遠隔授業の実施に向けて

文部科学省からの通知に伴い、本学では“Zoom”を活用した遠隔授業(オンライン授業)を実施する準備(設備の新設や増強、体制の確保や維持など)を進めています。

私は、今年度前期に複数科目(担当分担講義も含む)を担当することになっているのですが、それら準備に驚くほど時間がかかっています。
そもそも、特に専門科目は、これまで板書を中心に「自分のノート作り」を行わせる授業を展開してきました。そのため、板書資料のデジタル化や図解作成は、一から授業の準備をするくらいのパワーが必要で、大学着任当時のことを思い出しながらも、ここに来て少しバテてきました。

また不安もあります。これまでの対面での授業では、大人数の皆さんが講義を受講していても、意外と教壇から皆さんの雰囲気を感じ取ることができていました。私の解説や発言に対して、「皆さんがどう思っているのか」や「納得しているのか」について、私は感覚的に理解していました(例えば、皆さんの仕草やペンを持ってノートにしっかり記録している姿など、、、)。ただし、今回の遠隔授業では、皆さんの反応や全体の雰囲気を私は恐らく感じ取れないと思っています。しかしそんな中でも、講義内容を十分理解してもらえるために準備すべき資料作りなど、手間暇かけているのが現状です。

私も遠隔授業は初めての試みなので、今年度はベストなものができるとは考えられず、とにかく「遠隔授業の内容をベターなものにしよう」との目標を掲げて、その準備を研究室で静かに進めています。

(松浦が遠隔授業を行う予定の前期講義科目)
1.生命環境化学特論(1年次配当、火曜1限、分担)
2.電気化学(3年次配当、水曜1限、すべて担当)
3.生活の科学(1年次配当、木曜4限、分担)
4.無機化学Ⅰ(2年次配当、金曜1限、すべて担当)
5.キャリアデザインⅣ(4年次配当、不定期、松浦研所属学生分を担当)
6.その他の複数科目(調整中)

 そしてもう一つ目標があります。
それは、「既存の知識を伝達するだけのティーチャーにはならないように、大学教員として自らの研究を通して教育すること」に挑みたいと思います。
そのためには、「自分の専門分野の勉強や研究に、私自身がしっかり向き合うこと」(※)が求められます。

「信じることを止めてしまえば、楽になるって分かってる」けど、ここは「寂しくても、たとえ苦しくても、諦めないで、何かが見えるまで」、1日1日前だけ向いて頑張りたいと思います。

本格的に始まる大型連休中も、「STAY HOME!SAVE LIVES!」を合言葉に、自宅でも恐らく遠隔授業のことを考えているのではと思います。

最後に、この事態が一日も早く収束し、皆さんの元気な姿にお目にかかれる日を心から楽しみにしています。

The Pride of JAPAN at 2020

※佐藤由美、“巻頭言:必要なのは教科の専門力とコミュニケーション力”、埼玉工業大学 教職課程アニュアル・レポート第14号、埼玉工業大学教職課程発行、pp.1-2、2020年3月17日発行.