3月26日~29日の4日間、中華人民共和国の遼寧省にある大連理工大学(Dalian University of Technology)の化工環境生命学部(Faculty of Chemical, Environmental and Biological Science and Technology)を訪問しました。今回は、2008年3月に本学大学院で博士号を取得され、その後大連理工大学の教員として活躍されているDr. Xiuyun Wang先生との国際連携に関する会議や研究設備の視察等を目的とした訪問でした。初日の夜には、化工環境生命学部化学科の科長および副科長、化学科グループのリーダーの先生方との懇談会も開催され、日本と中国との科学技術に関連した国際連携について意見交換も行われました。
また、大連理工大学の基礎化学実験センターの視察では、学部学生の実習実験において、16人を1クラスにして、1人1人に実験機材(汎用な実験器具だけでなく、実験で使う分析装置も含めて)を与えて授業を受けさせるスタイルを採用していることに驚きました。高価な分析装置の予算は、国から教育経費として支給されているとのことで、研究も然る事乍ら教育にも多く投資され、大学としての責務を果たされていることを身をもって感じました。
現在中国は、アジア圏を中心に科学技術に関連した国際連携を強化しており、日本も国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)を中心に「さくらサイエンスプラン」等の国際交流事業が展開されています。今後、日中の大学院生等の留学を通して、日本と中国との国際連携がより強化され、今後の科学技術の発展に資することができるのではないかと思います。
松浦研究室では、引き続き国際連携を継続して、得られた研究成果の社会還元をより加速させることを目指して参ります。
(参考情報)
大連理工大学は、中華人民共和国教育部直属の国家重点大学に指定される中国国内有数の大学です。理工科を主とし、経済、管理、人文などの学科も併設されている総合大学で、約37,000名の学生が学んでいます。
また、中国国家より「211プロジェクト」と「985プロジェクト」の指定を受けており、両プロジェクトとも中国教育部、遼寧省、大連市の共同実施の重点大学建設事業として位置づけられています。加えて、中国東北地区旧工業地帯の振興政策を重要なチャンスをとらえ、国際水準のハイレベル研究型大学を築くことを目指している、研究レベルの高い研究型総合大学として高く評価されております。