川越工業高校で開催された五科合同課題研究発表会で発表しました

2月9日に埼玉県立川越工業高等学校で行われた五科合同課題研究発表会にて、生命環境化学科准教授の松浦が指導した化学科の3年生7名が1年間取り組んだ課題研究(燃料電池の作製)の成果を発表しました。
高大連携の一環で今年度、埼玉工業大学の松浦研究室の研究設備を活用し、大学教員や大学生から直接指導を受けながら高校生が課題研究に取り組んだ研究成果の発表および質疑応答・研究成果物の展示も行いました。
松浦が指導した生徒自らが、これまで行ってきた課題研究の背景や実験方法、実験結果とその成果の意義を力強くプレゼンテーションしている姿に、1年間指導した立場として大変嬉しく、またその様子を真剣に聴講する1、2年生の姿がとても印象的でした。さらに今回の課題研究発表会には多くの保護者様や企業の方々にもご見学頂きました。また化学科では、全部で22テーマの課題研究の成果が発表され、“化学のチカラ”だからこそ実現できた、地球にやさしいエコ製品の製作や樹脂粘土を用いた造形物(スライムキャラクターやマスク)の作製、めっきや結晶化現象を利用した尿素ツリー作りなどの研究成果が発表されました。

また今回の五科合同課題研究発表会では、川越工業高校の化学科以外の課題研究成果も発表されました。
その一部を紹介すると、デザイン科では、洋服や浴衣のデザインから生地選びや染色・縫製までを一から企画して洋服を作り上げるところまでを実践したり、小江戸川越ハーフマラソンのポスターやプログラムなどのデザイン、地元百貨店とのコラボによる“ふるさと埼玉朝市”のロゴマークやハンドビラなどのデザインを行ってリリースした研究成果が発表されました。

建築科では、“感じる図書館”というテーマを掲げて、建物内部の空間設計において、「空・外気・雨・地面」を感じるそれぞれの空間を設けた、極めてオリジナリティーの高い“感じる図書館”を設計したり、校章エンブレムを木工作品として設計・製作した研究成果が発表されました。

機械科では、鋳物で作ったパーツを組み合わせて釣り用のルアーを製作したり、様々なイベント用に製作したミニ電車の展示や新車両の製造を行った研究成果が発表されました。

電気科では、キャパシタを非接触で充電する方式について研究を進めたり、スピーカーのエンクロージャーやアンプ回路も独自設計したスピーカーを開発した研究成果が発表されました。

五学科の垣根を越えて、「他の学科ではどんなことをやっているのかな?」という知的好奇心をかき立てられる、非常に価値の高い研究発表会であったと感じることができました。
課題研究発表会に向けて、これまでひたむきに努力し続けてきた川越工業高校の3年生の皆さん、大変お疲れ様でした!
皆さんのポテンシャルは、大学教員である私から見ても秀でたものでした。4月から新たな環境の下で生活される皆さん、今回の経験を糧に更なる上を目指して、そして社会の中核となる人財としてご活躍されることを願っております。
最後に、今回このような機会を設けて頂いた川越工業高校の清水雅己校長をはじめ、課題研究発表会に携わられた先生方に深く感謝申し上げます。


本取組みは、文部科学省から「地域産業中核的人材養成事業」の指定を受け、地域産業の発展を支える中核的な人材養成機関としての教育プログラムの研究開発に取り組んでおります。この度、本事業の一環として「平成29年度第2回五科合同課題研究発表会」が川越工業高校にて開催されました。